オホーツクの夏


■ 2000 Jul. 下旬

今年のメーンのイベントがやってきた、年々、インターネットによる情報武装で、いい時期に、いい場所へ、いいものを調べることが出来るようになった。それでも旅は旅思いがけない発見や、体験が更に趣と思い出を加える。

去年からメーンは道東方面の移動型、観光キャンプとなっている。今年の予定ルートは仕事を終えての火曜日夜出発の5泊6日の最長キャンプだ。

が、しかし、出発当日の朝、下の子供が発熱、38度。断念!翌日、水曜日は休暇。まだ熱は下がらない。病院に行くと、はやり風で3日は熱が出るという。期待は明日の後半となった。そう簡単に休みが取れないので、気が気ではないが、家族の健康が一番なのは言うまでもない。気休めなのが、出発ルートである帯広、釧路方面が当面雨であること。

日程も3泊4日となったので、今回一番の目的地、知床をあきらめ、第二のコースを天気予報とにらめっこしつつ作成。

今回の最終テーマが決まった。
「オホーツクで北海縞えびとオホーツク随一紋別の花火大会」

木曜の朝、子供の熱もないようなのでやや遅く11時の出発となった。あまり早起きしてぶり返すのが一番怖いからだ。第一日目の目的地は丸瀬布の森林公園キャンプ場。場内に本物のSLが走っているところだ。

途中12号線沿いの道の駅のスタンプを押しながら順調に車は走る。長距離ドライブはこのスタンプ集めも楽しみの一つ。子供たちはすっかり道内の地理に明るくなった。


最初の道の駅三笠では地元の農産物を買う。不揃いだがおいしそうなプチトマトを買った。また、目的地近くの丸瀬布では鳥の巣箱セットを千円で購入。ここは林業の町なのだ。
サイとの様子
キャンプ場は平日の割には結構込んでいたが、川沿いのサイトが空いていたのでそこに決めた。奥にオートサイトがあるが、何か後からつけたような、面白みのないサイトだ。フリーサイトは森林サイトであるが高い木が多いので、地面は固く、周りは暗い。そして虫が多い。私たちファミリーには嫌いなほうのキャンプ場だ。と、行ってもここは滞在が目的でなく、通過地点と割り切ってさっさと設営。もう暗くなってきている。こういうときは家で作って持ってきた食材が大いに助かる。暖めるだけなのだ。何とかお腹もおさまり、やっとほっとできるようになった。周りの子供たちが懐中電灯を持って、虫を探しているようだ。近くに来た子供に聞いてみるとカブトムシとくわがたが取れるそうだ。

早速、家の子供たちにも懐中電灯を渡し、みようみまねでやらせてみた。一時間ぐらい歩き回ったあげく、一匹、メスのくわがたを捕らえたらしい。興奮した子供の顔はもうすっかり自然児だ。本当にたくさんいそうだ。

本日は、川の音を聞きながらぐっすり就寝。

翌朝。今日の目的地はすぐ近くのコムケ国際。今後天気が急速に回復しそうであれば、一時断念した知床まで行くことになっている。予報では曇りところにより一時雨。早めの撤収をしているとSLの汽笛が聞こえてきた。雨宮21号という木材運搬用の小さなSLだ。後ろの貨客車にも乗れる。これを見せたかったのだが、以外にも子供たちは興味がなさそう。せっかく運航日(7、8月のシーズンはほぼ毎日運行)を確認してきたのに。

昨日の捕らえたくわがたは木に放して、オホーツク方面に向けて出発。天候は予報どおり曇り、晴れ間は見えそうもない。まもなく、上湧別に到着、ここのスーパーでは安くておいしい北海縞えびが買える。去年の食べた味が忘れなくてまた来てしまったと、いっても過言でない。

サロマ湖の東側の砂州、竜宮街道の先端まで行くと、そこにもキャンプ場がある。左を見るとオホーツク、右を見るとサロマ湖の展望台がある。その幅500メートルぐらい。昔から地図を見ていていつか来てみたかった所だ。天気がよければ感動はもっとあったろうと思うが、海も湖も灰色なので仕方がない。

ちょっぴり残念のサロマ湖を後にして、途中にあった、海産物店に立ち止まる。大きいホタテを一枚100円を5枚購入。いざ、本日の目的地コムケ国際に向かう。
現地につくと入り口向かいにコムケ沼が見える。大きいが雰囲気は湿原風の沼だ。湖面の色も灰色で爽快感はない。先客は5、6組程度。奥の通路横には車を止められ、先客は簡易オートに近い。炊事場に程近いサイトを確保。設営まもなく蚊の執拗な攻撃に遭う。虫除けスプレーで何とか凌ぐが、量が多い。スクリーンテントを張ってもなかなか落着けない。後になってもここの印象は蚊の大群しか思い出せないぐらいだ。蚊のいない時期なら広いサイトでそれなりにいいと思う。
しまえび
早速、北海縞えびをほうばる。うーん。この歯応えと甘味がたまらーん!今日は前日の行程もあり、休養とした。天候も霧がかかったさせない状況。テント内でのんびりするべしだ。

早朝に小雨が降って目がさめたが、疲れもたまっていたので朝までぐっすり眠れたと思う。テントから出ると、空には明るいところがあるので回復の方向に向かうのだろう。今日は移動しないで紋別周辺の観光なので身軽だ。

コムケ沼から国道に戻らずに海岸側に向かって走ることとした。すぐにオホーツク海がみえた。青空も広がり、絶好の観光日和になりつつある。人は釣りをする人がポツリポツリと見えるだけ。右手にオホーツクを見て車の窓を開けゆっくりと走る。道がやがて海から離れて国道方面に向かう途中の橋に両側に沼があるところがある。ふと、右手の沼に目をやると、真っ白なサギがいる!

エンジンを止めて子供たちに教える。双眼鏡をだし、じっと見る。とても神秘的だ。聞こえる音は風の音だけ。

すこし進むと牧場が見えてきた。道東では特に変わりり映えしない光景だ。みんなで牛の鳴き声の真似
「んっモー」なんてしていると、右手に子供の蝦夷鹿が見えた。これまた感動!家族全員野生の鹿を見たのは初めてだと思う。

紋別に着く手前にかにの足だけのオブジェが見える。なかなか圧巻。市街地に入る。今日はお祭りのようだ。出店が出てメーンの道路が歩行者天国になっている。実は今日の夜はこの港でオホーツクで最大の花火大会があるのだ。港で見る花火は初めてなので楽しみだ。

昼に一旦キャンプ場に戻ることとした。街中でお勧めの蒲鉾を買う。帰る途中の紋別空港でちょうど飛行機が到着する時刻なのでしばらく見物。そのころには天候は快晴状態。気温もぐんぐん上がっていそうだ。

キャンプ場に戻り昼食(サンドイッチ&無添加蒲鉾)をとり、しばらく休養。夕方となり、再び紋別へ向けて出発。プリンスホテルでもらったお祭りの案内図で打ち上げ個所を確認。どうやら港の防波堤から打ち上げるらしい。そこから海面越しの埠頭に場所を確保。持ってきた椅子を用意する。車もすぐ近くまで持ってこられたので安心だ。いよいよ開始だ。

二万発の花火が打ちあげらる。尺球もあり、結構興奮!圧巻は水中花火。水面で半円を開いた花火と下に写った花火でより幻想的な雰囲気。フィナーレも豪華に最高の花火であった。

帰りの渋滞もそれほどでもなかったのですが、上の子が急に発熱。下の子の風邪がうつったのだろう。薬を用意していたので本人は2、3日の我慢だ。明日は撤収と帰還なので、何とかなりそうだ。

最終日、快晴!あー暑い。湿度も高い。早めの撤収を開始したが流れる汗も無くなってきた。なんで、前半に晴れなかったのと恨む。上の子が管理棟の休憩室に厄介になっている間に下の子はお手伝いに奮闘。何とか撤収終了。上の子が横になれるように後ろの座席の足場に寝袋を埋めてフラットにセッティング。管理棟の人に礼を言い、出発。

自分も軽い熱中症状で助手席に。頼もしい妻が帰りの行程のほとんどを運転してくれま
した。