初山別の夏


■ 2000 Aug. 上旬

 夏休み企画のもう一つは家族全員お楽しみ初山別3連拍だ。先月も訪れたので4年連続5回目となる。
 何故、全員お楽しみかというと、
1)途中の港で買い物ができ、その海産物を楽しめる。
2)磯遊び、海水浴ができる。
3)温泉がある。
4)ゴーカート、パークゴルフがある。
5)お祭りイベント、花火大会がある。
6)日本海の夕日が見られる。
ゆり
と、遊びには事欠かないのです。しかし、私にとって、もっとも惹かれる事はサイトから見る海岸線を見ていると社会復帰できないくらい、静養できることなのです。私にとってこちらのベストサイトは灯台横のフラットなナイトでなく、その下の元パークゴルフ場のやや傾斜のある宗谷丘陵の海岸線が見られるサイトなのです。最近こちらのキャンプ場も人気がでて、いつものお気に入りの場所は空いてませんでした。やむなく隣の準お気に入りに決めました。後で聞くと定年後のご夫婦が、すでに2ヶ月滞在しているそうです。うーん、自分もその年になったら夫婦二人でやってみたい!
社会復帰しなくてもいいからね。

 札幌からは海岸線の国道を使います。信号もなく交通量も少ないので200kmという距離の割には時間も疲れもありません。途中、留萌の駅前の鮮魚店でホタテと大きなほっけを買う。苫前に近づくと巨大で白い風力発電塔が20基以上ならんでいる。
新たな名勝になるかもしれないが、近づくにつれ人間が作った巨大な廃墟のようなイメージもあり妻は結構怖がっている。

 午後1時ごろ到着、今まで一番早い到着だ。設営もはやい。ここは虫も殆どいないので、テント&タープで充分。スクリーンテントだとせっかくの開放感が失ってしまう。設営後、タープ越しの海岸線を見ると、
「また帰ってきたよ」
というような気分。
ほっけ
 夕食に、留萌で買ったほっけを焼く。脂が乗っていて結構うまい。脂が乗っているときは、醤油をたらすと、更にうまみが増す。炊き立てのご飯にそのまま乗っけても結構な一品となる。恒例のホタテも食す。もちろん殻付のまま炭で炙る。口が開いたらひっくり返し醤油を数滴たらす。冷えた白ワインとで
「うんめー」の連発!
明日はここより北の町を探索することとし、程なく就寝。

 3連泊の二日目。休暇の前半が一番気分がいい。
ここでの連泊は、どこにも移動しないことが常だが、今回はちょっと変化を求めてみた。
 天候は朝から快晴!実に気持ちいい天気だ。
遊び道具とクーラーボックス、それに簡単な昼食の用意をして出発。行き先は北の隣町の遠別町だ。
 そこにはまず、道の駅「富士見」がある。富士とは利尻富士のことだ。快晴にかかわらず、海岸は霞んで利尻は見えなかった。ここではむしろ、道の駅のスタンプが目的だ。

 次にここのキャンプ場の視察、この道の駅すぐ山側をすこし上ったところにある。ガイドブックをみて一度見ておきたかったところだ。サイトに行ってみると、利用者は0。
サイトは広く、芝生は良好だ。平日であることもあるが目当てのサイトの視察で来たので以外だ。きれいだけど、なんとなく使いづらいキャンプ場の印象はある。自分は今後使うことは無いと思う。

 このキャンプ場と道の駅の間の傾斜地にパークゴルフ場がある。本日3つめの目的。初山別のパークゴルフは前回7月にプレイした。しかし、三つ葉が生い茂りコースコンディションは良くなく面白くなかった。ここは、非常にすばらしかった。しかも、今ま
でで、一番難しく、ハードだった。自信の無い人は投げ出してしまうかもしれない。全体に緩やかな傾斜地にあり、そこから日本海を眺めるなんて余裕は無い。

 ハードなゴルフと強い日差しで、みんなには休養が必要だ。お昼の時間。遠別の市街地で今後の足りない食料と飲み物の買い物。スーパーを発見して調達。
次は海岸側にある、もう一つのキャンプ場を目指し、そこで軽い昼食を兼ねたディキャンプだ。通称チビテントを持参し、まさに第2キャンプ地にしようかとも思ったが、
登山でもないので大げさすぎると思い今回は取りやめた。キャンプ場は先ほどの道の駅から国道をはさんで海岸側の公園にある。とても広く設備も綺麗だ。サイトの芝も良好でみな平地だ。先客は2組ほどだ。残念なのが海がそこから砂浜で続いているのだが、
立ち入り禁止の様になっており、資材なども散乱していることだ。そんなに悪くないかもしれないが当日はここだけ風が強く落着かなかった。

日陰が無いので炊事場の建物の陰を利用し、そこにシートを敷く。炊事場の台で湯を沸かし各自、カップめんに注ぐ、持ってきたサンドイッチとで昼食会。なかなか楽しい。

 程よい休養をとり、遠別を後にした。初山別に戻る途中、本日の残りのイベント、旭温泉。
持っていた温泉のガイドブックで、ここはいい温泉と読んだことがある。自分にとっていい温泉とは温泉そのものがいいことだ。ひなびた温泉宿っぽい建物。昼ということもあり、客も殆どいない。男湯女湯先客は2名ほどだそうだ。今日の午後はここでゆっくり温泉三昧。露天風呂はないが、大きな窓から見える変哲も無い山の景色を見ているのも悪くない。浴槽は透明な湯と鉄分を含んだ湯それぞれある。なめてみるととてもしょっぱい。時折湯槽のそこからぼこぼこと湧出しているようだ。源泉が直接湧いているかは知らない。まだ、時間も早いし先客も出て行った。あーなんて贅沢なんだろう。これがホントの静養だ。

 今日も、天気がいい。
早朝、トイレで目覚めると、ちょうど日の出だった。ここから宗谷丘陵のなだらかな山から、夕日より、さらに赤い太陽が昇ってきた。大地が徐々に赤く染まってゆく。

 今日の予定は午前中が、磯遊びと海水浴。午後からは恒例、みさき祭りのイベントに参加だ。このお祭りは、例年8月の第一土曜と日曜の二日間行なわれる。

割り箸の先にテグスを結び、その先に珍味を縛る。一番先に錘をつけて、かにつりの道具が完成。ここからおよそ180段程の階段を下ると、右手500mに海水浴場、左手に豊岬がある。その豊岬の前が、ちょうどかにつりに適した磯がある。
去年、初めて子供が体験して、大興奮。カニさんには悪いが、自然を相手にしたゲームだ。釣ったカニはバケツでしばらく観察し、午後には海に帰すことにしている。

今回の釣果は、なんと一匹。不漁だ。カニも賢くなったのか。散々えさを取られた。すぐ見えるところに潜んでいる大きなカニが不敵に笑っているようだ。

 休憩後、今度は海水浴。ちょっと曇ってきた。テントで海水パンツに着替え海水浴場へ。ほんの短い夏の間しか開いていないが、綺麗なトイレとシャワーが完備されている。
砂浜は小さいが、かといって客も少ないので充分だ。持ってきた缶ビールを飲みながら日光浴だ。

 午後になると、天文台の前でお祭りのイベントが始まる。スイカ割、紙飛行機大会、ペットボトルロケット作りなど、子供たちは楽しめる。子供たちが楽しんでいる間に、自分はテント前からみえる風景画を書き始める。コンパクトな水彩セットを使って描く。絵を描いている時間と空間が好きなのだ。特にうまいわけではない、しかし、家に帰って見てみると、その時の雰囲気が伝わってくる。こんな至福の時間は滞在型キャンプでないと、なかなか出来ない。

 早めの夕食を取って夜になる。もう一つのお楽しみは花火大会だ。数百発程度の小さな規模なのだが、目の前のタープ越しに見える花火は天下一品といってもいい。タープの前面にギャラリーが見えなければ(事実、設営するときは打ち上げ場所の方向をサイ
トの端にセッティングしている)それはもう、自分たちだけのプライベート花火大会だからだ。今年もまたまた興奮の花火だった。これで、初山別のキャンプの終わりを告げたようだ。