■ 2000 Sep. 下旬 北海道でこの時期になると、紅葉がそろそろ始まり、キャンプ場に来る人は、本当に好きな人、でなく、 物好きな、キャンプを愛する人たちだけとなる。自分は、この時期と早春が好きである。 自然条件が厳しければ、それを肌で感じて、自然と共有している感じがするからだ。 キャンプの道具を車にせっせせっせと積んでいるときは、夏ならとにかく、この時期になると「物好き」の視線を浴びているような気がしてならない。しかし、本人は「来月も天気さえ良ければ、まだ行くのだ!」 「だから、9月末なんてまだまださ」 と、こんな感じで、いつもと変わらぬ表情で準備するのである。 と言っても、たいていキャンプ場は山の麓であったり、内陸であったりと、自分の住んでいる札幌より数度低いのは間違いない。だいたいこの時期の天気予報の気温では、札幌で最低10℃の時、場所にもよるが5℃以上低いことがある。大体このぐらいの気温だと、何もしていないと、ブルブルふるえがくるぐらいだ。 夏と比べて、我が家の防寒対策は、毛布を寝袋の下に一枚、上に一枚用意。着るものは平地の服装に対して2、3枚多めを心がける、ちなみに寒がりな私は、 モンベルのTシャツ、起毛のワイシャツ、トレーナー、ゴアテックスのジャンパー 寒くなるとさらに化繊の長袖、厚手のフリース(ポーラテック200)を着込む。 これで万全かというと、そうでもない。何もしていないとやはり寒くなることはある。 この時期、楽しみなのはたき火である。たいてい、直火は禁止であるが、我が家ではたき火台とその下にブロックを敷いて芝生を痛めないように心がけている。もちろん、薪も普通に購入すると、結構な金額になり、しかもあっという間に無くなってしまうか 「本当に薪なの?」と言うぐらい粗末な薪で、かえってひもじい思いをすることもある。幸い我が家の実家には、冬の暖房用の薪が大量にあるので、夏に遊びに行ったときに、少々?もらってくることにしている。今回は、約20キロぐらい持っていくこととした。 今回の目的地は洞爺小公園とした。ここは正式なキャンプ場ではないが、駐車場、トイレ、炊事場もあり、しかも湖岸に面してロケーションも抜群のところだ。清掃協力金を徴収にくるので一応設営も認められている。サイトが狭いので夏のシーズンはすぐに満杯になってしまう。この時期で、しかも風が強かったので「いるかな?」と思ったけど、ぽつりぽつりとテントが点在していた。一番端のお気に入りの場所が空いていたので、すぐにその場所を確保することとしたが、昔のきれいな芝生の面影はもう無かった。 理由はバーベキュースタンドの熱だ。足の短いこのスタンドは熱で芝生を枯らしてしまう。微生物も死んでしまうのでしばらく雑草も生えてこない。そのうち、周りより低いので水がたまり、ますます低くなってしまう。周りをみると、今年のもの、去年のもの、さらにその前のと、痛ましい姿が多数見られる。知らない人もいるので是非一工夫してバーベキューを楽しんでほしいと思う。できれば前回のアルテンのスタッフのように説明と指導をしてもらうとほんとに助かる。 さて、今回は本当に大丈夫か?と、思うほどの強風であった。何せ湖岸から時折波しぶきがとんでくるぐらいだ。それでも、「これ以上は悪くならないだろう」と言うことで設営することとした。 設営中、ますます風が強くなる。 「だってもうテント張っちゃったモン」と、作業を続ける。こんな時、ロープが余分に有ると、効果は覿面だ。もちろんペグも余分に必要だ。我が家では付属のロープはそのまま倉庫に眠り、登山用の4ミリロープや市販のロープを設備分の2倍ぐらいを持っていくこととしている。そんなに嵩張るものでもないので、布袋にまとめて入れてしまえばいい。風のない時は最低限自立する分を除けば張らないが、今回の時などは、所定の箇所プラス上から押さえたり、ペグ二点止めで力を分散させたりと、工夫するところはいくらでもあり、有ればあるほど安心感を高めることができる必須のアイテムと思っている。 風上に一番大きな密閉型スクリーンテント、その風下横に小型テントを張ることとした。その間をタープを張ったが、音がうるさく、強風で役目も果たさないのでやめることとした。以外とタープの音が無くなるだけで風が少し修まったのかなと思うくらいである。 今回の夕食はシチューと焼き鳥。暖かい食べ物と、七輪で焼く肉で「まぁ一杯!」で心と体を温めてくれる。 夕食後テントの風下にたき火台を設定。七輪の残り炭を置いて細い薪をその上におけば、後は勝手に風が焚きつけてくれる。擱き火が増えると風がどんなに強くても赤外線の熱で周りは暖かい。家族みんなで和になって、時間を楽しむのだ。 |