■ 二日目:晴れ 午前5時、やはり、眠れなかった。睡眠は2時間ぐらいだろうか? それでも目覚めはいい!天候も良さそうだ。妻も一緒に起きたのですぐ出発することとした。子供を後ろの席でそのまま寝かせて、静かなドライブの始まり。国道240号線で美幌方面に向かった。その道程の両側の景色はなだらか丘の畑作のパッチワークでなかなか美しかった。朝のすがすがしさも気持ちいい。 朝のコーヒーを飲みたかったので、美幌のコンビニで暖かい缶コーヒーを買った。客は自分たちを除いて誰もいない。店員に「明日以降の天気はどうですか?」と聞くと、わざわざパソコンで調べてくれた。明日が雨の予報とのこと。 天気のいいうちに知床の山並みを見ることが、今回の自分の目的の一つだったので 今日の宿泊地は予定通り、知床自然の村とした。但し、途中気になるキャンプ場があるので、二カ所ほど寄り道していく予定だ。 まずは、美幌の東隣の東藻琴村の藻琴山温泉キャンプ場。妻の友人家族が毎年、連泊するそうだ。それに温泉もあるので朝風呂としゃれ込むのも悪くない。まだ空いていないので、途中にある乳酪館の駐車場でテーブルを出して朝食を作ることとした。朝からご飯を炊いておにぎりにして、遠くの斜里岳を眺めながら食べるのも悪くない。乳酪館と隣接しているのがチーズ公園。施設はまだ空いていないが、パークゴルフは無料でしかも芝の状態はすこぶるいい。後片づけしてみんなでパークゴルフをする事とした。日は高くないのに、じりじりと焼けそうだ。後半は暑さで少々だれるぐらいだった。 ここから、5qほど南に下ると藻琴山温泉キャンプ場だ。小さな山の麓の平らで結構広いサイトだ。ゴーカートあり、釣り堀あり、温泉あり、まさにファミリーにうってつけだ。春には山全体が芝桜でピンク色に染まることで有名だそうだ。 温泉は施設は古いが、客が誰もいないことと、一汗かいたあとの朝風呂で、最高に気持ちよかった。自分は今時のきれいな温泉より、古くてもいい湯でのんびり出来る方が好きだ。 キャンプ場を後にして、もう一つ見てみたいキャンプ場が網走の「てんとらんど」だ。 料金が高いが施設の整った評判のいいキャンプ場だ。 受付で「見学させてほしい」と言ったら、すぐ先のところまでと言われ、サイトの様子や施設は見ることが出来なかった。車はだめにしても歩いてすらいけないのは、ちょっと残念だった。そうゆう訳で眺望もオホーツク海を見下ろせて悪くはないが、肝心のサイトは見学したところよりかなり下ったところなので、評判ほど「どうかな?」と言う印象だ。地形的にもあるが管理棟が一番上で利用者は不便なような気がする。 キャンプ場をでて、下ると、網走の市街だ。今後大きな街はないので、食料等の買いだしだ。地図に「ラルズ」を発見したので、そこで買い物をした。網走をでて、オホーツクの海岸線を左手に見てしばらく走る。道の駅「はなやか小清水」で原生花園を見学。 ここから、清里方面に入り、両側のジャガイモ畑を気持ちよく走る。余り知られていないが「来運の水」と呼ばれている幸運の水を飲むためだ。場所がよく分からないので、近所の人に聞くと、親切、丁寧に教えてもらった。 斜里岳の伏流水だと思う。大きな源泉から水がわき出ている。車にあるありったけのペットボトルに来運の水を汲んだ。水を飲んだ。運が来そうだ! 午後二時。残りの今日の予定は、知床自然の村に向かうだけだ。国道334号線を走る。知床の海岸線を楽しむ。突き出た岩礁の景色を楽しめるが、崖が切り立っているので、知床連山の山並みは、それほど楽しめない。有名なオシンコシンの滝を通り、ウトロの街に入る。小さな港と温泉街がある所だ。港に向かうため国道すこし外れたところにカニの直売店がある。ライダー数人が歩道に腰掛けてカニをほおばっていた。 店の中にはいるとカニがメインで売られていた。本当は貝類を期待していたが、めぼしいものもなかった。カニをみると、解凍から時間が経っていそうで、「旨まそうになく、安くなく」少し残念だった。そんな表情をみてか店の主人が、袋詰めする前のタラバを「これでいいよ!」といってくれた。間髪入れず奥さんが、 「これも一緒だと」と、二つ一緒で一つの値段だと行った。「そういう意味じゃねぇ!」と、主人。 「さっき、いいっていった」と、奥さん。 「じゃあ、買った!」と結論がでる前にお金を払って退散。奥さんに感謝。(来運4) キャンプ場はそこから少し戻って、山の方へ1qほどダートを上ったとろろにある。 やや開けた高台だ。視界は少し狭いがオホーツクの夕日が見られるかもしれない。実はオホーツク海は東側にあるので、日の出は有名だが夕日はサロマ湖ぐらいで、知床から見る夕日を楽しみにしていたのだ。 受付で気持ちよく応対され、気分が和む。月曜日でもありサイトは数張りだった。車は、自分たち以外は本州ナンバーの様だ。駐車場横の炊事場近くがあり、そこに設営。 大きなタープとモンベルのテントをセッティング。モンベルのテントは子供でも組み立てられるので、随分助かる。 早速食事の準備。我が家はまず七輪で炭を熾す。時には設営前に熾すこともある。 いい火力になるまで時間がかかるからだ。火が大きくなるまで、ビールで乾杯! 今回初めての落ち着いた乾杯だ。開放的なタープにそよ風が気持ちいい。 残念ながら、雲がでてきたので知床の夕日は見ることが出来なかった。 日が沈み、場内は暗くなった。いつもなら早い時間からランタンを照らす人がいるのだが、誰もいない。自分は「いつも最後」というぐらい「遅い」方だ。何か暗さを楽しんでいるようだ。 火が大きくなって、まずはご飯を炊く。七輪に乗せたお釜の蓋が「カランカラン」っとなって、気持ちよさそうだ。ご飯が炊けたら、その燠で先ほどのかにを焼く「焼きタラバ」だ。焼くと甘みと歯ごたえがぐっと増す。二袋買ったにもかかわらず 途中のご飯をたべて、すべて平らげてしまった。 昨日の睡眠不足もあり、早めの就寝とすることにした。それでも随分長い一日だった。 炊事場でお湯が出たのはありがたかった。 |