道東の旅(4)



■ 三日目:雨
 疲れと程良い酔いで瞬く間に寝付いてしまった。時より霧雨がテントをぬらす音で目が覚めた。まだ、夜は空けていないが、結構熟睡できたようだ。炊事場とコインランドリーが同じ所にあり時々、ひとの足跡が聞こえる。トイレに行って、再び寝付くことと
した。

 午前七時に起床。天候は霧雨。昨日の寝不足は解消出来たようだ。昨日の残りのご飯と、暖かいもので朝食を済ませる。そのころから雨が降り出してきた。予報通りだ。タープの下で素早く(いつもより)片づける。朝に指定通り分別したゴミを管理人に渡し、出発。

 雨はますます強くなる。景勝地知床峠は濃霧の中。そのまま峠を通過する。半島の東海岸にでた、天候は小雨。道の駅「らうす」で小憩。おみやげ売り場と海産物を覗くがさして、珍しいものは無かった。次の行き先は、第二の目的である、知床の無料露天風呂に入ることだ。いろいろあるのだが、ここから知床の東の行き止まりにある、海中セセキ温泉か相泊温泉とした。

相泊温泉 知床の国道の先の東海岸は、交通量も少ないこともあり、野趣たっぷりだ。セセキ温泉は見落としてしまったが、すぐ先に相泊温泉を発見!青いブルーシートで囲まれた、男女別の露天風呂だ。夏の間、地元の人たちが管理している。パーキングに止めて、ちょっと偵察、道路沿いのパーキングの直ぐ下が温泉だ。数段の階段を下りて砂利の海岸を海側から覗くと、先客が二人いた。朝早くもあって入れそうだ。女湯は誰もいないそうだ。

 早速、準備して温泉にはいることとした。浴室に棚が一段あり、そこで脱衣して入る。洗い場など当然ない。お湯をかぶり、そのままはいる。コンクリートで出来た浴槽は二畳程の広さだ。下から、源泉が沸いているようだ。
「あー満足」
残念ならが目の前はテトラポットがあって、海が直接見えないのは残念だが、隙間から僅かに見える風景だけでも「知床に来たぞー」と感じさせる。

 たっぷり暖まって車に戻る。知床に別れを告げて、本日の宿泊地、尾岱沼に向かう。
天候は曇。途中、標津町のスーパーで買い物をする。買うものがだんだんと日常と変わらなくなってくる。胃もその方がいいし、お金も続かなくなる。

 尾岱沼青少年旅行村に着いた。海岸側は通路横に車を止められ、実質オートサイトと変わらない。まだ誰も利用していなかったので、いいところをゲット。ここで2,3泊する予定だ。芝生は濡れていたが、それほどでもなく、スクリーンテントとテントを設営した。目の前は野付湾。サイト道路の向こうは直ぐ海岸だが、砂浜でないので、何か沼の岸のようで、期待の大きさに比べて少々がっかり。しかも設営中からのしつこい、ブヨであちこち刺される。不純な天気と執拗な虫の攻撃で結構落ち着かない。

 設営が終わり、子供達とキャッチボールをすることとした。サイトの後ろは広場があり、この日は利用者も少なく、充分な広さだ。明日の天候の回復を願って、この日も早く寝ることとした。